土地を読む

同じ広さの土地でも、読み方が違えば別の家が建つ。敷地に一日いて、何を見ているのかという話。

DEMO SITE 本記事はデモサイト用に書き下ろした架空の読みものです。 特定の事例・人物・団体とは関係ありません。

土地を見に行くとき、私たちはメジャーとカメラのほかに、 方位磁針と折りたたみの椅子を持っていきます。 椅子を持っていくのは、しばらく座っているためです。

一度では足りない

不動産の資料には、面積、接道、用途地域、建ぺい率が並んでいます。 必要な情報ですが、そこに書かれていないことのほうが住み心地を左右します。 朝、どの面に光が入るか。夕方、隣家の影がどこまで伸びるか。 風がどちらから抜けるか。前面道路をどれくらいの速度で車が通るか。

これらは一度立ち寄っただけでは分かりません。 できれば朝と夕方、可能なら平日と休日の両方に行きます。 平日の昼間は静かでも、休日の午後だけ子どもの声が響く土地があります。 どちらが良い悪いではなく、知ったうえで窓の位置を決めたいという話です。

隣家は、風景の一部として設計する

敷地に立つと、隣家の窓がこちらを向いていることに気づきます。 目線が合う位置に大きな窓を計画すれば、 住み始めてからカーテンが閉じたままになります。

隣の建物は変えられませんが、こちらの窓の高さと向きは変えられます。 腰高の窓を高窓に変える、正面を避けて斜めに開ける、 壁で切ってから庭に開く。 条件が厳しい土地ほど、この種の判断が家の形を決めていきます。

高低差は、費用ではなく手がかり

傾斜のある土地は敬遠されがちです。 造成に費用がかかるのは事実ですが、 高低差はそのまま床の段差や視線の抜けに使えます。 平らに均してから設計するより、 地面の形に沿って床を持ち上げたほうが、結果的に安く済むこともあります。

読み終えてから、図面を引く

敷地を読む作業に、私たちはおおむね二週間かけています。 急いで図面を引き始めても、 後から敷地の条件が出てきて振り出しに戻るからです。 最初の二週間は、遠回りに見えていちばん短い道です。

Contact

まず、土地の話から。

計画が固まっていない段階でも構いません。 お持ちの土地のこと、これから探す条件のこと、暮らしの希望のこと。 設計者が直接うかがいます。

家づくりを相談する